よむ&みる

本や映画、舞台の感想をつらつら書いています

『縄文人に相談だ』(望月昭秀)

Twitterで見かけて、これ読みたい!と思って図書館に予約。未所蔵だったから、私きっかけで買ってくれたのかもしれない…ありがとう図書館。

縄文人に相談だ (縄文ZINE Books)

縄文人に相談だ (縄文ZINE Books)

現代人の悩みに、縄文人(のふりをした現代人)が縄文的に答える、という本書。
最初のほうにある「悩みは全部まとめて貝塚へ」という見出しだけでくすっと笑ってしまいました。

「お金がなかなかたまりません」という悩みにたいしては、
「お金ってなんですか?どんぐりのこと……ですか?」と、縄文時代にはそもそもお金という概念がないので、若干ずれた答えが返ってきています。

一万年続いた縄文時代の経済と、千数百年そこそこで、ありえないほどの不均衡を作り出した現在の経済、どちらが優れたシステムなのか、マジでそろそろ考えたほうがいいんじゃないでしょうか。

同じくお金がらみで「お給料が同年代の半分以下」という悩みには、

経験は貝塚のように積み重なり、毎日少しずつ成長していきます。(中略)お給料なんて使えば使うほどなくなっちゃいますが、経験は使えば使うほど増えていくんですよ。
やばくないですか、経験。

との回答が。

悩んだ時には視点を変える、誰かに相談するのが一番、という私の結論でした。

『口説き文句は決めている』(夏生さえり)

社会人になってから、いや、大学生で1日に色んな種類の予定が入るようになったころから、エッセイをよく読むようになりました。

高校生くらいまでは、いや別にあんたの人生とか考えとか知らんし、とエッセイに変な拒否反応を持っていて、小説で作られたキャラクターの生き方や考えを知ることだけが読書の楽しみでした。

エッセイを楽しみ始めたのは、その小説の設定を覚えている余裕がなくなってから。

今回はタイトルに惹かれて読んだこれをご紹介。

口説き文句は決めている

口説き文句は決めている

妄想につぐ妄想。もうどこまで実体験なのかよく分からない…好きな人とご飯を食べに行ったことある人なら、同棲経験のある人ならなおさら、共感できる妄想が満載でした。

私が特に共感出来たのは「台所の時空」と「紅茶が好きな理由」のふたつ。

単調な動作で、包丁をトトトと動かしたり、火を止め、湯を捨て、皿にあげたり。手順があって、それらをひとつひとつこなした結果、きちんと何かが出来上がるというのは心の衛生に良い。

わたしは紅茶のことをあまり知らない。「紅茶のおいしいお店はね」などと語ることもできないし、特別上手に淹れられるわけでもない。
なのに、紅茶が好き。
いや、正しくいえば「紅茶を楽しめる心持ち」が好きなのだと思う。

よむ&みるスタート!『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』(古内 一絵)

「よむ&みる」最初の投稿です。一応自分の中では「よむみる」と呼ぶことにします。

 

普段は会社員として働いていますが、大半の事務仕事の中で文章を書く仕事も少しだけ担当しています。今後どういった形でも、副業的に仕事になったら嬉しいなという気持ちと、日常的に文章を書く練習として、自分が読んだ本や、観た映画や舞台の感想を書こうと思って始めました。感想文というのは昔から苦手で、「え、そこ?」というポイントの感想になる可能性は大いにありますが、ひとまず始めます。

 

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最初はこれ。

『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』(古市 一絵)

マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ

マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ

 

元エリートサラリーマンにして、今はど派手なドラァグクイーンのシャール。そんな彼女が夜だけ開店するお店がある。そこで提供される料理には、優しさが溶け込んでいて 

ドラァグクイーン」という言葉に馴染みがなくて調べたら、男性が女装して行うパフォーマンスの一種、ということらしいです。

とにかくこの本で重要な店主のシャールは180センチのイケメンながら、夜だけ自分のお店でドラァグクイーンの姿で接客をしているなんとも不思議な人なんです。

参考文献にマクロビオティックの本があるように、シャールのお店では動物性たんぱく質をなるべく取らずに、旬の野菜の甘みを活かした料理や、玄米などの穀物を多用している料理が登場します。

夜食の後、シャールはひとりひとりの顔色を見て、それぞれに食後のお茶を処方してくれる。マスカレードの仮面にゆったりとした笑みを広げ、乾燥させたハーブや茶葉を選り分けている姿は、さながら妖しい魔女のようだ。

昔からこういう、困ったときに行きたいお店、疲れた時に寄りたいお店、みたいな家の近くに落ち着ける馴染みの店が出てくるお話が大好きで、自分の家の近くでも探しているところです。

料理を作るのも好きなので、マクロビオティックについて、もう少し勉強したいなぁと思っています。マカン・マランはシリーズで3巻まで出ているので続きも気になる…

 

さて。今回はこのへんで。